個人でブランドを立ち上げたい方へ
こんにちは、YOSHINOです。
最近、『個人でブランドを立ち上げたい』というご相談を多くいただきます。
ざっくりと考えている方もいらっしゃれば、
すでに計画を練って、コンセプトを固めて・・・という方もいらっしゃるかと思います。
洋服を作って売りたいという方もいれば、古着をリメイクして売りたい、
セレクトショップを運営したいという方も(/・ω・)/
個人ブランドの立ち上げと、一言で言っても販売方法は様々・・・
今回は、個人ブランドの立ち上げについてお役に立てればと思い、
洋服作り~売るまでの流れを書いていこうと思います。
実は、私、都内のファッションの専門学校で『生産管理』を教えてたりします。(初告白w)
生産管理って、、読んで字のごとくなのですが
ファッション業界で言うと、裏方の仕事ですね。
資材のコスト管理&発注、工場の納期管理&発注、検品、在庫管理・・・(+_+)
色々なところで、板挟みにされる大変なお仕事なのです。
・・・まぁ、あんまり人気のない部門かもしれません。
でも、ブランドを立ち上げるって、
この裏方の仕事も自分でこなしていくってことだと思うのです。
まず、シャツを作ろうと思い立ったとき、ざっくりした流れはこんな感じ↓
①デザインを決定する。
着丈はどれくらいで、肩幅はこれくらい、ボタンはこんな感じで付けて、衿の形はこれ。
展開するサイズはS~Lサイズで、色数は2色展開、値段はこれくらいで販売・・・
②型紙を作る。
決定したデザインをもとに型紙を作成して、縫製仕様書を作る。
③資材を手配する。
縫製仕様書をもとに必要な資材を仕入れます。
ものすごく簡単に書いているけど、具体的に何を仕入れるの??
1.生地 (表地だけなら1種類、配色をいれるならその数分)
2.芯地 (衿とかカフス、前立ての内側に付ける芯のこと。表地との相性が重要!!)
3.ボタン (シャツだから、おそらく必要でしょう!)
4.品質表示 (洋服売るなら、付けないとNG! 洋服売るにも法律があります。)
5.ブランドタグ (衿の内側とかについてるやつ)
6.糸 (工場で手配してくれることが多いですが、必要になることもあります。確認を!) などなど。
④工場に依頼する。
型紙と資材を揃えて、工場に送りまーす! 出来上がりまーす!
⑤検品
仕上がった洋服を検品します。
(仕上がる前に送ってもらって1stサンプルの検品を行う場合もあります。)
⑥販売
売ります、売ります。
⑦在庫管理
売れ行きの良かったもの(カラー)、それをもとに来期の売れ筋を計画します。
ざっくり書きました、ざっくりです。
書かれていない所を突破できるか、否か、とても重要になります。
①まず、型紙をつくるにも外注工賃がかかります。
自分で型紙引ける!という方は不要です。
YOSHINOで請け負う場合は、デザインによって変動しますが、料金表の通りです。
¥15,000+税~くらい。
②生地や資材の発注には最低ロット数というものがあります。
街の手芸屋さんで仕入れる場合は、割高ですが気にしなくて大丈夫です。
生地メーカーや、商社などから直接仕入れる場合は、作る枚数に関係なく
最低ロット数以上(1反とか、5反とか・・・)仕入れなければなりません。
ボタンや、ブランドタグなどの資材も同様です。
③品質表示は自分で考える。
最近だとハンドメイドのサイトでも発注できます。
【品質表示 作成】などのキーワードで検索すれば、色々な会社様が出てきます。
ただし、『この服にどのマークを付けるのか』は自分で考えなきゃなりません。
生地の組成も書かなければなりません。仕入れるときの確認は必須です!
④タグを作りたい、刺繍を入れたい、プリントしたい、加工賃は?
版代というものがかかります。タグを作るにも、刺繍をするにも、プリントをするにも、
どういうデザインにするのかというデータが必要になります。これが版代。
一度作れば、その後は版代不要のところが多いですね。
ただし、この版代にプラスして、加工賃がかかります。
加工賃は最低ロット数を設けているところもあれば、
1枚~OKで、枚数に応じてコストが変動するところもあります。確認してみてください。
⑤工場に縫製を依頼する。
先程から何回も書いておりますが、
工場に依頼するときにも最低ロット数というものがあります。
単発で1着のみサンプル作成してほしいという場合は、結構引き受けてくれるところは多いのですが、
その後、量産となった場合には断られる方が多いです。
なぜ?
まず、原因として多いのは『最低ロット数を満たせない。』これです。
大体、最低ロット100着以上のところが多いですかね、、
しかも、同じ形であっても色違いがあれば、その色数ごとに100着です。
50着でも、縫製工賃は高くなりますが、やってくれるところはあります。
次に多いのは、『縫製工賃が合わない。』
普段わたしたちが買ってる洋服って、ものすごく安いじゃないですか。
¥2990のジーンズとか、¥1000のTシャツとか。
あれは、大きめな会社の企業努力です。
個人ブランドで、あの値段設定は相当難しいです。
資材コストと縫製工賃、販売場所の賃料、在庫場所の賃料考えたら、激安ブランドは難しいです。
縫製工場の方も意地悪で値段を釣り上げているわけじゃないです。
洋服のハンドメイドって言うけど、
洋服って、ほぼ全部ハンドメイドです。
ミシンを使って、ヒトが縫っているんです。
そんなこんなで、1つのデザインを作るだけでも
販売するまでに相当なお金がかかります。手間もかかります。
ハンドメイドや、ネットショップ、副業が身近になった分
個人ブランドの立ち上げをしたいという方も増えた気がします。
ただ、キラキラした部分だけ見てたらダメです。
裏方の仕事を理解した上で計画してもらえると、
実現性の高いブランドが立ち上がるかなと思い、今回は色々と書かせていただきました。
コンサルティング的に、ブランドの立ち上げ~量産までをお手伝いしてくれる会社さんもあります。
縫製工場の最低ロット100着と書きましたが、nutteなどのサイトのように、
作ってほしい人と作り手とマッチングさせるサイトもあります。
交渉次第では、もっと少ない数でも作ってもらえるので、ブランドの立ち上げ方は人それぞれ。
YOSHINOも、ご相談に乗れるところは乗ります。(頑張ります!)
何かしら参考になれば幸いです。
最近の出来事メモ(全く関係ない話)
この間、ミカンの木がハクビシンに荒らされました。
大量に食べられていました。被害がひどいので専門の業者の方に相談して、
捕獲器を設置したら、今度は捕獲器が誰かに盗まれました。
どういうことでしょうか。(ボヤキ)
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